設立趣旨

明日花育英会は、1978年(昭和53年)に設立されました。 その設立趣意書には、育英事業に対する思いが語られています。 ※以下設立趣意書より一部抜粋。


 変動する社会的、経済的諸条件のもとで生ずるひずみが”国民が教育を平等に受ける権利”に大きな影響を与え各種の教育福祉に欠ける状態が発生しています。これを是正して教育の機会均等の向上を図るために、国、地方公共団体において、その充実強化に努め、着々と効果をあげられつつありますが、国民ひとりひとりが、これに深い理解と関心をもち、社会的協力によって、推進していかなければならないと確信する次第であります。
 特に最近、モータリゼーションの発達が目覚しく、車の増加にともない、交通事故が多発し、そのため交通遺児が相当数にのぼっています。  このような状況のなかで、それら交通遺児達が負担する教育費に対する援護対策が、社会的に強く望まれてきています。
 このような状況のなかで我々は従来、かかる問題に深い関心を寄せてきたのでありますが、社会の進展、経済変動のはなはだしい今日、これに対応して新しい理念にもとづく交通遺児の援護対策事業として高等学校、大学に在学する交通遺児に対して学費の貸与をはかり、その組織活動を推進するとともに当組織の人格を明らかにし、目的方針、組織等を明確にして、広く門戸を開放し、府民参加を期するとともに、同様な種々の機関と相連携して、充実向上を図る必要があると考えます。従って財団法人明日花育英会の設立を申請するものであります。

上記のとおり、当法人は設立当初より、交通遺児に対して奨学金を貸与し、もって将来社会有用の人材を育成することを目的として事業を行ってまいりました。 しかし、昨今社会全体の努力の甲斐もあり、交通事故の減少に伴って交通遺児が減少していること、さらに交通遺児を特別な存在と捉えることが一種の差別であるとの意見もあることから、事業の対象者については、交通遺児に限定することなく、広く経済的に就学が困難である者へと変更し、また、奨学金については、設立当初は返還義務のある貸与としておりましたが、現在では返還義務のない給付へと変更し、事業を行っております。 今後も、公益財団法人として社会発展に寄与する人材の育成に微力ながら貢献してまいります。

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